入れ歯の修正方法(裏打ち)
「入れ歯を作っても、歯茎が痩せたらまた作り直しでしょう?」
「良い入れ歯を作っても、歯茎が痩せたら合わなくなりますよね?」
患者様からよく聞かれる質問です。
「安心してください。裏打ちして、また同じ入れ歯を使い続けることが可能ですよ。」
とお答えしています。
入れ歯の修正方法
入れ歯には「裏打ち」という修正方法があります。「リライン」や「リベース」とも言いますが、入れ歯の内面の歯茎が痩せて、スペースができた部分への新しい材料の追加だと言えば良いでしょうか。裏打ち修理とも言いますね。
この手法をうまく行えない歯科医師も少なくないらしく、十分な調整ができないために患者様が合わない入れ歯を持って歯科医院を転々とするといった残念な話を耳にするケースもあります。
歯科医師の中にも、あまり入れ歯が得意ではない医師もいるのかもしれません。
総入れ歯であったり、部分入れ歯などを実際にいくつも作ったことがないと、結局入れ歯の調整も得意ではなくなります。
合わなくなったらそれは捨てて、新しく作れば良いという考えにはさすがに賛同しかねますね。
入れ歯は使い捨ての道具ではなく、その人の身体の一部であるべきです。どのみち使い捨て思考の入れ歯では、何度作り直しても依然として問題が改善することはないでしょう。
裏打ち修理でまた使えるものに
最初からしっかり噛める丈夫な入れ歯を作っておけば、長年使って合わなくなった時でも比較的簡単な裏打ち修理で入れ歯をまた使えるものに蘇らせることも可能な場合が多いのです。
口の中は年々変化しますし、顎の形も歯茎の厚みも変わってきます。
これは誰にでも起こることで、どんなに良い入れ歯を作っても、いつかは必ず合わなくなってくる時が来ることは避けられません。
でもその時が遅いのか早いのかは人によるので分かりませんし、どのように変化するのかも完全に予測はできません。
ご病気をして、身体が痩せてしまうこともありますが、その時は、歯茎も痩せてしまうこともあります。
その時が来た時に調整する手段があるのかないのか、これは作った入れ歯の種類によるので、最初から患者様がしっかりと理解していらっしゃることが大切です。
入れ歯を使い続けていらっしゃる限り、何回かこうした裏打ち修理や抜けた歯を付け足す修理などを行う機会があるでしょう。
多少費用がかかったとしても、最初から間違いのない入れ歯作りをしておけば、その時になって
「やはりあの判断は間違っていなかったのだな」と実感していただけるはずです。
まとめ
確かに費用は安いに越したことはないのですが、かかった費用にきちんとした意味があるのであれば、納得できる内容があるのであれば、それは考慮に値します。
そして、先々まで見越してきちんとメンテナンスができる歯科医院を選んでください。
歯科医院のハシゴをして、入れ歯コレクションを増やして欲しくはないのです。
「入れ歯を作る前に、裏打ちの修理をやってもらえるかを確認してから作ると、長く使える入れ歯が手に入ります。」というお話でした。
裏打ち修理ができることをご存知ない方も大勢いると思います。いろいろ入れ歯について知識を得て、ご自分に合う入れ歯に出会ってください。